「怒る」と「叱る」の違いってなに?
今回は、前回に引き続き、子どもの叱り方について紹介していきます。
前回より「怒る」「叱る」と表現してきましたが、この違いについてお話しします。まず「怒る」とは、自分がイライラしている感情をぶつけることで、「叱る」とは、相手のために注意やアドバイスをすることです。怒られると、相手はあなたの言葉よりも怒ったときの感情を受けとるため、恐怖心を与えてしまうことがあります。そのため伝えたかった内容は伝わらず、信頼関係にもよくない影響を与えてしまいます。
では、どのように叱ればよいのでしょうか?叱るときのポイントとしては、大きな声で叱ったり怒鳴ったりせず、落ち着いたトーンで伝えることが大切です。また、叱るときには、その場で伝えるようにします。時間が経つと忘れてしまうため、すぐに伝えるようにしましょう。
具体的になにがいけなかったのか伝える
ただし、パニックや癇癪を起こしているときは不要な声はかけず、子どもが落ち着いてから冷静に伝えてください。わかりやすい言葉で、簡潔に伝えることで理解しやすくなります。
慌ただしい日常では「ちゃんとしなさい」「いい加減にしなさい」といってしまうことも多いと思いますが、具体的に「危ないから道路に飛び出しはいけません」「お友だちを叩いてはいけません」と、なにに対して叱っているのかを、具体的に伝えます。
また、何度いっても聞かないときなどに「○○くん!」「○○ちゃん!」と、名前を呼ぶだけの注意をしがちですが、実は名前を呼ばれるだけでは、なにを伝えたいのかわかりにくい子もいます。
子どもの気持ちに寄り添う姿勢も大事
また、頭ごなしに叱らず、理由をきいてあげることも大切です。以前、友だちを叩いてしまった子がいました。1度叩いただけでは気が収まらず、さらに向かっていこうとしているところを職員から止められました。「叩いてはいけません」「やめなさい」といわれても興奮状態だったため、その子には届きませんでした。
しかし「話を聞きます」と伝えると、すっと落ち着き「○○くんが僕の作ったレゴを壊したんだ。だから叩いちゃったんだ」と話してくれました。「そっか。レゴを壊されて嫌だったんだね。でも、お友だちを叩いていいんだっけ?」と訊くと「ダメ。叩いてごめんね。」と謝ることができました。このときはレゴを壊してしまった子にも話を聞き、お互いに謝り仲直りができました。
こうして叩いてしまったことには理由があり、大人が理解を示そうとすることで話を聞ける状態になります。人を叩くことはもちろんいけないことだと伝える必要がありますが、理由を聞かずに叱るのではなく、気持ちを受け止め、いけないことを理解していってほしいと思います。
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