つい注意してしまいがち!自己肯定感が上がる子どもの正しい褒め方

基礎知識

逆効果につながる褒め方がある?

これまでさまざまな場面で「褒めてあげましょう」とお伝えしてきました。褒めることで自信がつき、やる気や向上心、自己肯定感が高まるといわれています。ただし、よくない褒め方をすると、逆効果になってしまうこともあるので、注意が必要です。今回は褒め方のポイントや注意点について考えていきます。

具体的に褒めて自己肯定感UP

まずは、具体的に褒めること。「すごいね」「えらいね」と褒めることも大切ですが、褒めているポイントを具体的に伝えてあげましょう。そうすると子どもはしっかり見てくれているんだと、喜びや安心感を得られます。

たとえば、離席の多い子に「3分も座れているね」と具体的に褒めてあげることで、次は“5分座る”という目標を立てられたり、“以前よりも長く座っていられた”と、自分ができたことがわかりやすくなったりします。しかし、1分で離席することがあっても「前は3分座っていられたのに」と伝える必要はありません。できる日もあれば、できない日もあります。長い目で見て5分座っていられる日が増えたなら、それはとても大きな成長なのです。

ポジティブな言葉がよい行動につながる

また「子どもの落ち着かせ方」の記事でも紹介しましたが、普段走り回ってしまう子が、何気なく歩いているときに「上手に歩けているね」と声をかけるなど、できていないときだけでなく、“できているときもある”ということを自覚させるのも大切です。

以前、研修で「脳はインプットしたことしかアウトプットできないため、よい言葉やイメージをたくさんインプットしてあげることで、よい行動が増えていく」と聞きました。走っていることばかり注意されると、自分は走り回る人間だと思い込んでしまいます。上手に歩けていることをインプットさせることで、そうした自分を認識し、走らずに歩ける回数を増やしていくといいます。

ただし、理由もなくやたらと褒めることは逆効果。期待されているという印象だけが強くなり、失敗を恐れ、難しいことに挑戦しなくなってしまいます。よい結果が出たときには、一緒に喜び、褒めてあげることも大切ですが、がんばってきた過程も必ず褒めるようにしましょう。

ここでよい結果だけを褒めてしまうと「○○ができないといい子じゃないんだ」と不安にさせてしまうことがあるからです。結果が伴わなかったときもがんばった姿勢や過程を褒め、努力を認めてあげることが大切です。


また、伝えるときには簡潔にわかりやすい表現で伝えるようにします。発達課題のある子どもたちは、長く話を聞くことや、遠回しな表現が苦手な子が多く、褒めたことが伝わりにくくなってしまうので、簡潔に具体的に伝えましょう。

そして、褒めるタイミングもとても重要。過去のことを褒めることはもちろん大切ですが「さっきは○○できて偉かったね」と褒めても、さっきという少し曖昧な表現がいつを指しているのかわかりにくかったり、忘れてしまったりすることもあるので、なるべくそのときに、その場で褒めてあげるようにしましょう。

次の記事でも引き続き、褒め方について紹介していきます。

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