<子どもの気持ちの切り替え方>スムーズにいかず悩んでいませんか?
今回は、子どもの気持ちの切り替えについて考えていきます。
発達障がいを抱える子の多くは、切り替えが苦手な傾向にあるといわれています。
休み時間から授業への切り替えや、パニックになったときの気持ちの切り替えなど、なかなかスムーズにできず悩んでいる子が多くいます。
こうした子の多くは見とおしをもつことが苦手。
これは学校行事の記事でも紹介しましたが、先の予定がわからないと不安になったり、次の行動に移行しづらくなったりするため、あらかじめ予定やスケジュールなどを把握することで切り替えやすくなります。
さらに予定をイラストや表にし、視覚的に伝えるようにすると見とおしがつけやすくなるでしょう。
<子どもの気持ちの切り替え方>休み時間から授業への移行には?
また、そのほかの理由として、途中で作業を中断できず、区切りのよいところまで続けないと終われないということも挙げられます。
これはある放デイでの出来事です。
休み時間にゲームをしていた子どもが、気持ちを切り替えられず、次の授業に参加できないことがありました。
ゲームの途中だったのです。
区切りが悪くやめられなかったため、職員が中断すると気持ちが乱れてパニックを起こし、結局授業には参加できませんでした。
この場合、残りの休み時間を伝えるだけでなく、休み時間内に区切りのよいところで終われるよう声をかける必要がありました。
また、残り1プレイと約束しても、少しでも時間が残っていれば「あともう1回」とゲームを始め、途中で中断しなくてはいけないこともあると思います。
そんなときは「だからいったでしょ」とわからせようとするのではなく「楽しいところで中断するのは嫌だったね」「次からは区切りのよいところで終わりにできるよう声かけがあったら終わりにしよう」と寄り添うような言葉をかけられるとよいでしょう。
<子どもの気持ちの切り替え方>視覚や聴覚を刺激して興味を引く
さらに、こうした子は、なにかに熱中する力をもっていることが多いともいわれています。
その力を活かすには興味を引くことが大切。あるピアノの先生は、発達障がいのある生徒を受けもっていました。
通常であればイスに座り、あいさつから始めているそうですが、なかなかイスに座らないためレッスンを開始できずに困っていました。
しかし、スムーズにレッスンさえ始められれば、楽しく練習できるようなのです。
そこで、まずはイスに座るまで注意を向けるために、彼女が興味のある曲を弾いたり、ジャーンと迫力のある音を聞かせました。
その後、あいさつをして着席の音に合わせて座らせるようにすると、スムーズにレッスンを始められることが増えたといいます。
このように教室に到着してからスムーズに参加できる経験を積み重ねることで、子どもたちは自らイスに座れるようになっていきます。
これに似た放デイでの例もあります。
ある日、ちぎり絵の活動がありましたが、休み時間の遊びから切り替えられず、活動に参加できない子がいました。
目の前で折り紙をちぎり、台紙に貼り付ける様子を実践して見せましたが、見向きもしません。
そこで紙を小さくちぎるのではなく、わざとビリビリと大きな音を立てて破いて見せると興味を示し活動に参加。
1度興味をもつと作品が完成するまで集中して取り組むことができました。
声かけだけで切り替えが難しい場合は、視覚や聴覚などさまざまな感覚に働きかけてみると効果的です。
次はパニックになった際の気持ちの切り替え方について考えていきます。
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