完全に動きを制限する必要のない多動。子どももストレスが溜まらない代替行動の成功例

事例・体験談

ADHDの子どもの例。周りへの迷惑行為に対する代替行動

前回に引き続き、子どもたちが不適切な行動をとったとき、親が叱ることなく気持ちを切り替えやすくなる方法を考えていきます。

今回の事例は、小学4年生のADHDのIくんです。

彼はじっとしていることが苦手で、度々離席したり、突発的に激しい動きを見せたりします。

たとえば、カードゲームをしているときは、手札のカードを小さく折り畳んでしまいます。

この行動はカードがボロボロになったり、折れているとなんのカードかわかったりすることから、周りには嫌がられていました。

しかし、友だちに指摘されてもゲームに夢中になると、自然と折ってしまうIくん。

ただ、この行動をしているときは、なぜかほとんど離席することがないのです。

私たちは、彼がカードを折り畳むことで、自然と離席の代替行動ができていたとわかったため、この行動自体をやめさせるわけではなく、トランプを折り曲げていいカードに差し替えました。

多動は完全に動きを制限せず、代替行動でストレスを解消

まずは、トランプサイズに切った画用紙を渡し、本当のトランプは机に伏せて置くようにします。

その後はトランプやゲームのカードを折ることはなくなり、ゲームをするときは、自分から画用紙を要求できるようになりました。

離席や多動の目立つ子のなかには、じっとさせるなど動きを制限するのではなく、なにかを足で踏ませたり、彼のようにカードを折り畳んだりするなど、動いてよい箇所をつくってあげることで、欲求が解消され落ち着くことがあります。

このとき、周りの子が気にならないような音のしないものを用意するとよいでしょう。

代替行動はやめさせたい行為に対して、代替案を示すことが多いため、不適切行動や問題行動が起きてから対処することがほとんどです。

理想としては、問題行動を起こさないよう事前に環境を整え、誘導してあげることが大切です。

次回は、その方法を考えていきます。

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