[ルール・集団行動が苦手な発達障がい児]ただ注意するよりも、代替行動が有効

事例・体験談

子どもの気持ちを切り替えるには代替行動が有効

発達障がいのある子どものなかには、ルールを守るのが難しい、集団行動から外れるなどで、先生や親に叱られてしまうことがあります。

なるべく叱らずに不適切な行動をやめたり、切り替えたりしてほしいものですが…なかなか難しいですよね。

今回はそういった場面で、子どもたちが切り替えやすくなる方法を考えていきます。

私が現場で実践していた方法は、まず代替案を提示することです。

子どもたちが夢中になる行動、止められない行動に対する代替行動を示すのです。

実際に効果的だった方法を、いくつか例を挙げて紹介していきます。

発達障がいのある子どもの例。ただ注意してもやめられない

1つめは、知的障がいのある小学1年生のHくんです。

勤務していた放課後等デイサービスでの自由時間のこと。

施設では子どもが職員室へ出入りすることが禁止されていましたが、彼は勝手に入り込んでしまいます。

教室でメモ用紙にグルグルと円のようなものを書き、職員室に入ると、机に1枚ずつ配っていきます。

大人の指示もある程度理解できますが、職員室に入らないように伝えても、なかなかやめられません。

ただ発語がなく、自分が伝えたいことをはっきりと伝えられませんでしたが、職員が直接手紙を受け取ろうとすることは嫌がりました。

子どもがたのしめる代替行動を提示

そこで、私たちはHくんの意思は尊重しつつ、職員室に入る行動を止める方法を考えました。

職員室はドアで仕切られていないため、施錠はできない状況。

床にはテープで立ち入り禁止のラインを示し貼り紙もしましたが、効果はありませんでした…

そして、ようやく成功したのが、職員室に入って届ける代替行動として、職員室の前にダンボールでつくった、簡易的な郵便受けを設置したこと。

シールを宛名代わりにしました。

それぞれの職員が違う色のシールを名札につけ、同じ色のシールを貼ることで、特定の職員に届く仕組みにしました。

一連の流れを実演しながら説明すると、彼は職員室に入らずに郵便受けへ手紙を届けるようになりました。

職員の名札を見て回り、同じ色のシールを貼る姿を見ていると、適当に手紙を置いて回っていたわけではなく、それぞれに向けて手紙を書いていたこともよくわかりました。

次の記事で、もう1つの事例を紹介します。

完全に動きを制限する必要のない多動。子どももストレスが溜まらない代替行動の成功例


ほとんどのママが間違えている!癇癪を起こしたときの子どもの落ち着かせ方

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